2026.06.05 その他 / 本社

日本セラミックス協会の「2025年度セラミックス遺産」に認定されました


明治初期、香蘭社の創設者である第八代深川栄左衛門が日本で初めて開発・実用化した電信用磁器がいしが、公益社団法人 日本セラミックス協会の「2025年度セラミックス遺産」に認定されました。
明治期の電信用磁器がいし
セラミックス遺産認定制度は、セラミックス分野において、我が国の産業分野の技術革新や創造に貢献したもの、社会、生活、文化など世の中の変革や発展に貢献したもの、我が国の伝統に基づく技術、文化で次世代に教育的価値が高く伝承すべきものなどを認定する制度です。

第1回となる2025年度は、セラミックス遺産選考委員会において最終的な審議の結果、12件の候補の中から5件を認定候補として選定し、2025年度第4回理事会(2026年 2月27日開催)において正式にセラミックス遺産として認定されました。

電信用磁器がいしは、1870年に第八代深川栄左衛門が日本で初めて開発、実用化し、近代化と産業発展に貢献した製品です。
当時の電信網整備において主流だった輸入ガラス製がいしは絶縁性が低く高価でした。そこで第八代深川栄左衛門は有田焼の伝統技術を活用し、天草陶石ベースの独自の原料配合により、優れた電気絶縁性と機械的強度を両立させた磁器がいしを開発しました。同時に近代的な工場制度を整え、低コストで安定した量産供給体制を確立したことにより、国内通信インフラの急速な普及を支え、その後の送配電用等への展開を通じて現代の電力インフラの技術的基盤となったのです。

また、職人の経験則に頼る伝統産業から、科学的管理に基づく工業生産への転換を実現した点も重要です。
このプロセスで培われた量産技術は現代のファインセラミックス産業へと繋がる基盤を築いており、歴史的かつ技術基盤的価値に優れた案件と認められました。

今回受賞した明治期の電信用磁器がいしは、香蘭社有田本店ショールーム二階の古陶磁陳列館で展示しています。